実務実習について
実務実習における災害発生時の対応


各大学では独自の基本的理念と教育方針により人材養成を行っている。6年制薬学教育において重要な意義をもつ実務実習においてもその範疇にあり、災害発生時における対応を関東地区調整機構で一律に規定することは困難である。したがって、本機構では関係大学の災害発生時における実務実習の継続・再開に関する基本方針をまとめた。
参考にしていただければ幸いである。

大学名 安否確認方法および
学生連絡
施設への連絡方法 実習への対応(継続、中止、再開条件等)
国際医療福祉大学 Gメール、WEB日報front page、電話にて連絡・確認を取る。 大学HP上にて情報公開
メール、FAX、電話にて連絡する。
継続・中止条件:学内協議の上、状況に応じて継続・中断を決定し、その旨を施設および学生に連絡する。
再開条件:学内協議の上、状況に応じて決定し、その旨を施設および学生に連絡する。
高崎健康福祉大学 本学の防災管理委員会で定めた「防災管理規程」に基づき、電話もしくは一斉メールへの返信をもって安否確認する。 電話、メール、FAX等 実習一時中断、自宅待機の基準としては、
・交通手段に被害が生じ、学生が実習施設へ行くことが困難な場合
・実習施設が、実習継続不能と判断した場合
等とする。
再開については、通学の安全性の回復や実習環境の確保について、学生及び実習施設に確認した上で総合的に判断し、大学の最終決定により学生及び実習施設へ周知する。
城西大学
日本薬科大学 電話確認 実習の継続・中止・再開は施設側と大学で協議して決定(一方的には決定しない)を基本としている。
城西国際大学 電話(携帯・固定)、メール(PC・Webシステム・携帯) 電話(携帯・固定)、メール(PC・Webシステム)、携帯メールは一部施設 継続または中止の条件:災害の内容および程度等に応じて学部執行部が判断している。
再開条件:災害の内容および程度等に応じて学部執行部が判断しており、学生の交通手段と実習施設での安全性が確保され、実習施設および学生の了解があれば実習再開を可能としている。
千葉科学大学
千葉大学 電話 電話 「各実習先の指示に従う」ことになっている。実際は千葉県薬剤師会薬学生受入対策委員会作成の「災害発生時の実習対応について」のマニュアルに準拠。
東京理科大学 学生は、電話、メールなどにより大学に安否を連絡する。大学は、電話、メールなどにより各施設に学生の安否を確認するとともに、大学のホームページおよび大学支援システム(CLASS)などを通して大学の方針を学生に伝達する。 学生は、CLASSでの周知事項を参考情報として施設に連絡する。大学は、電話、メールなどにより、大学の方針を各施設に連絡する。 実習施設の指示に従う。
東邦大学 携帯メールとポータルサイトへの掲示により、返信をさせる。 電話(携帯、固定)、メール(WEBシステム)、FAXにて行う。 緊急時の対応:台風、風雪等気象警告発令及び交通機関の運休に関しては、事前情報を確認し、代替の交通機関の使用の可否の情報を基に、指導薬剤師に確認後、指示に従い、その旨を大学(研修センター事務局、実習担当教員、学生担当教員のいずれか)に報告する。
大規模災害時の対応:発生時直後の判断は、指導薬剤師に指示を御願いする。以後の判断は、大学から実習施設(指導薬剤師)、学生に連絡をする。
継続・中止の条件:初期対応としての継続、自宅待機、一時中止等の判断は、その後の被害状況と2次的影響の情報収集後、実務実習運営委員会にて協議し、薬学部長判断の下、決定する。
再開条件:実務実習運営委員会にて協議し、薬学部長判断の下、決定する。
日本大学 大学HP上にて情報公開し, Eメール FAX 継続・中止条件:学内協議のうえ,施設に判断を一任する旨の連絡を行う。
再開条件:なし(施設に一任)
北里大学 大学で定めた災害対策のカードを学生が携帯して対応する。学外で災害に遭遇した場合には、
1)身の安全を確保する、
2)落ち着いた後、安否と避難先を連絡する
ホームページに掲載・掲示・メール配信等を行う。 学部長等の判断と責任の下に、一部の授業などを休講としないことができる。
登校中の安全を確保する旨と、居住地域の災害状況により登校が不可能な場合は教育的不利益が生じないように配慮する旨を学生へ周知する。
慶応義塾大学 メール 基本的対応(大学からの指示)は、薬学部WEBページで確認する。
天候や交通事情は、実習施設(地域)により異なる場合もあるので、とくに大学からの指示が無い場合、あるいは大学からの指示を受け取れない場合は、指導薬剤師の指示に従う。
昭和大学 大学および実習施設の判断
昭和薬科大学 メール、Webシステム、電話 Webシステムメール、実習生もしくは訪問担当教員を通じて 原則、施設側の指示に従う。但し、通学に危険が伴うと予想される場合は、大学からの指示を出す場合がある。
帝京大学 電話、携帯電話、FAX、さらに薬局と学生の間では、本学独自のWEBシステム「帝京大学薬学実務実習支援システム(TJシステム)」病院と学生の間では基本的に富士ゼロックスシステムを利用して確認を取る。 継続条件:患者への対応、災害への対応を優先した上で実習施設の環境(指導薬剤師の負担も含めて)が実習に支障なく、かつ、学生の通学や実習施設での安全性にも問題がない場合。
中止条件:実習施設と学生のどちらかの実習継続条件が満たされないと判断した場合に、大学及び実習施設が中止の判断をします。また、実習施設には、患者への対応、災害への対応を最優先してもらうため、指導薬剤師の判断で実習を中断できることとしています。
再開条件:マニュアルには記載されていませんが、実習継続条件が整った場合に実習を再開するという認識でいます。
帝京平成大学 1) 学生の携帯、携帯メール
2) 学生の自宅(電話)
3) 実習施設経由
電話、メール 実習中止及び再開の基準
1)学生の健康を損ねることなく実習を継続できるか。
2)実習施設への往復に明確な困難が生じているか。
3)実習先施設の実習生受け入れ環境が大きく低下しているか。
東京大学
東京薬科大学 電話およびメール 電話およびメール 実習継続または中止の条件:各実習先の指示に従う。なお本学として通常の授業の継続・中止の方針を実習先に連絡し、かつ個々の実習先の状況を考慮して各実習先で判断いただき、本学実習生に指示をお願いしています。
再開条件:各実習先の指示に従う。なお本学として通常の授業の継続・中止・再開の方針を実習先に連絡し、かつ個々の実習先の状況を考慮して各実習先で判断いただき、本学実習生に指示をお願いしています。
星薬科大学 一斉メールシステム (e-Pa)により、学生に連絡し、連絡を見ているか否かの確認あるいは返信による。 メール、電話等「連絡表」に記載のある方法で連絡を取る。 実習施設への被害及び交通機関の不通などが生じた場合、実習を一時中断し、実習生を帰宅させるかあるいは施設内に待機などの対応を取る。帰宅が可能になった場合、実習生は一時自宅待機とする。
実習再開は、実習生、実習施設及び大学の状況等を総合的に判断し、大学(学長)の判断により、実習生及び実習施設にe-Pa、メール等により連絡する。
武蔵野大学 メール連絡(大学から配布のメールアドレス) メール連絡(各施設から緊急時に使用するメールアドレスを連絡してもらう予定) 継続、中止、再開の条件:特になし
明治薬科大学 一斉メール「明薬安否確認システム」に対する安否・所在情報の回答による。 「明薬安否確認システム」により、各実習施設に被害状況等情報照会を行い、各施設から被害状況と実習継続の可否見込みについての回答を受信する。
被害状況等の確認ができていない施設については、個別に通信可能な手段(電子メール等)を用いて確認する。
災害発生時、実習は一旦中断する。
実習の継続・再開の条件
①実習施設内の安全及び実習実施の環境(人的、物的)が確保されている。
②実習施設への通学の安全性・安定性が確保されている。
③学生の居所(居住基盤)が確保されている。
*上記の3条件が満たされていない場合
・確保できるまで実習を中断する。
・当面確保の見込みがない場合、実習を中止する。
*実習を中止した場合、代替の実習施設について検討する。
*大学が機能しない状況になった場合は、すべての実習を中止する。
横浜薬科大学 一斉メールもしくは電話 電話 交通機関が途絶した場合の対応:実習施設と相談し各自が自主的に判断
実習中止及び再開の基準:なし
新潟薬科大学 電話、連携システム 電話 指導薬剤師と大学担当者との連絡・相談により実習の中止・継続・再開について決定する。
指導薬剤師の状況判断により実習の継続の可否を学生に指示することも可能である。
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