委員長挨拶

関東地区調整機構について


関東地区調整機構は、関東甲信越地区の薬学系大学の学生および関東地区以外の調整機構からの受入要請を受諾した学生を対象として、薬局・病院実務実習における対象学生と受入施設との割振り調整、受入施設の確保や実務実習に重要な役割をもつ認定実務実習指導薬剤師の養成など様々な事業を行っています。関東地区調整機構の構成委員には、関東甲信越地区1都9県の24大学および薬剤師会、病院薬剤師会、日本保険薬局協会および日本チェーンドラッグストア協会に参画頂き、事業の目的である実習の円滑な実施と質向上のための方策を検討しています。

新型コロナウイルス感染症の蔓延により、医療の現場は非常に困難な状況にあることは万人の知るところとなっておりますが、このような状況下においても、将来の医療人の養成を途絶えさせてはならないとの指導薬剤師の皆様方の強い熱意と誠意から、薬局および病院での実務実習は継続しています。

学生にとって実務実習は、実際の薬剤師業務やチーム医療・地域医療を体験し理解することに大きな意義があり、その体験型学習により学生は大きく成長します。特にこの数年にわたるコロナ禍の状況下で、必死に医療に向き合う医療人プロフェショナルの姿に接し、学生が得たものは非常に大きいものと思われます。

実務実習によって学生の医療に対する意識や学習意欲の向上など多くの成果が得られていますが、一方で実習におけるトラブル事例や、より良い実習を行うための種々の課題も挙げられています。私はこのコロナ禍での体験から、大学・薬局・病院の三者がより密に連携することが関東地区調整機構の重要な課題であると考えており、患者中心の医療で重要な「薬薬連携」に倣い、学生の臨床教育の現場においては、大学・薬局・病院間の「三薬連携」の強化を推し進めていきたいと考えております。

大学のみならず実習施設におかれましても本機構の目的を十分にご理解いただき、 本機構の事業にご支援とご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。