実務実習における
関係者の役割と円滑な実施に向けた申し合わせ

病院・薬局実務実習関東地区調整機構

「実務実習の実施のための申し合わせ」編

1.実務実習の意義と調整機構の役割

 急速に変遷していく国民の医療に対する要望に応えるべく、臨床での高い実践的能力を身につけた人材の育成が薬学大学教育に求められた。その要望に応えるためには卒業前に医療現場で十分な経験を積むことが必須となっており、こうした理由で平成16年、学校教育法及び薬剤師法の改正案が国会で承認され、薬学教育の年限が6年に延長、平成18年から6年制教育が開始された。

 病院・薬局実務実習関東地区調整機構(以下調整機構)は、実務実習における教育指導能力を備えた実習施設の十分な数と質の確保と、薬学生への割り振りを目的とした組織である。加えて、臨床での高い実践能力を備えた人材を育成するために質の高い実務実習を担保する役割がある。調整機構では、前述の人材養成のために、実務実習を円滑かつ効果的に実施できるよう、以下の申し合わせ事項を定め、関東甲信越地区薬学系大学が共通した認識の下でこれを遵守するものとする。

2.実務実習における大学および実習施設のあり方

 実務実習が大学教育の下で行われることから、実務実習の単位認定に係る責任は大学にある。実習施設では大学教育の下で行なわれる教育を踏まえ、「参加型実習」を実行し、知識、技能、態度を定着させる。

 円滑かつ充実した実務実習を実施するためには、大学および実習施設の体制の整備と連携体制を構築することが重要である。

2.1 大学における実務実習実施体制の整備

  • 実務実習を統括する学内委員会の設置と定期的な協議の実施
  • 学生に対し指導担当教員(以下担当教員)の配置
  • 実務実習担当の窓口の配置
  • 適切かつ十分な事前学習の実施
  • 事前学習内容の公開(冊子、HP及び説明会など)と指導薬剤師への周知
  • 施設との緊密な連携の実施

2. 2 病院における実務実習実施体制の整備

  • 認定実務実習指導薬剤師の配置
  • モデル・コアカリキュラムに基づいた実施計画の作成とその実施
  • 個々の学生の目標に応じた指導の実施
  • 実務実習担当窓口の配置と大学担当者との連携
  • 大学内での実習報告会や連絡会議への参加

2.3 薬局における実務実習実施体制の整備

  • 認定実務実習指導薬剤師の配置
  • モデル・コアカリキュラムに基づいた実務実習の遂行
  • 実務実習を統括するエリア内での定期的な協議の実施
  • 実務実習に対する薬学教育協議会の基本的な考え方に基づいた実施
  • 大学との緊密な連携の実施

1.薬局実習について

薬局実習は、ひとつの薬局で完結することを原則とする。

2.受入薬局について

受入薬局は、実務実習モデル・コアカリキュラムで求められるすべてのユニットについて実習可能な環境を準備できる薬局とする。受入薬局に複数の薬剤師が勤務する場合であっても、受入れた学生の薬局実習については当該薬局の認定実務実習指導薬剤師が責任をもって行う。受入薬局の要件は下記に示すとおりとする。

(受入薬局の要件)

ア 保険薬局の指定を受けている薬局であること
イ 一般用医薬品、医療機器を含む医療関連用品の販売を行っていること
ウ 在宅患者訪問薬剤管理指導届出薬局であること
エ 麻薬小売業免許を有すること
オ 薬剤師賠償責任保険に加入していること 
カ 認定実務実習指導薬剤師が勤務していること

2.4 実習施設との連携体制の構築

 実習生を送り出す大学側には、実習期間中はもとより、開始前、終了後を含めて大学・施設間の良好な関係を構築・維持し、学生が安心して実習を進められるよう環境を整えることが求められる。したがって、それが円滑かつ充実した内容で行われるためには、大学と実習施設とのきめ細かな連携が大きな鍵となる。大学教員(学生担当教員)の訪問指導はその連携の一つの方法であり、有効に機能させることが大学と施設の両者に求められる。以下に大学が実施すべき基本的な方策を示す。
 
a
)担当教員の役割
 担当教員の役割は、実務実習の進捗状況および各到達目標の到達度に常に注目し、状況を把握することである。そのためにWEBシステム、メールおよび定期的な訪問(訪問回数を定めるものではない)等により、実習環境や実習状況の確認、学生および指導薬剤師との面談を通じて学生の形成的評価を行うとともに学生の健康状態を把握し、充実した実習を全うできるよう学生への支援に努める。
また、実習上の問題の深刻化を防止するために問題が生じつつあると感じたとき、また、問題が発覚したときには、速やかに指導薬剤師と協議・連携し、解決に向けた対応を行う。
 
b
)実習開始前から終了後までの連携の在り方
 担当教員の役割を果たすためには実習開始前から終了までの過程において以下のような細やかな連携を行う。
 
(1)
実習開始前
担当教員・学生・指導薬剤師の間で実習に対する考え方および実習スケジュールの確認や学生に関する情報の提供を行うなど、十分な情報交換を行い、学生の不安要素の確認及びその解消を図り、指導薬剤師と担当教員間の連携強化を図る。
 
(2)
実習中
担当教員は、学生の実習状況について学生および指導薬剤師からWEBシステム、メールおよび定期的な訪問(訪問回数を定めるものではない)等により情報収集し、学生に対して随時、教育的指導を行う。
 
(3)
実習終了後
大学は、報告会や連絡会議などを開催して大学・学生・指導薬剤師から実習に関する成果および問題点を抽出し、実習方法および学生の指導方法について再考し、充実した実務実習に向けて改善の努力に努める。

3.実習中のトラブルに関して

 学生が実務実習を円滑に実施できるように、大学と施設の両者が良好な関係を築き上げ、維持する。そのためには実習に関する考え方や内容について相談・協議し、相互に理解することが必須である。
 
 学生(大学)と実習施設の間で問題が生じた場合には、解決に向けて迅速な対応を行う。関係者の具体的な対応について以下に示す。

3.1 トラブルを未然に防ぐために

 トラブル防止のためには実習の位置づけ、実習に関する考え方等を大学・施設間相互および大学内において十分に理解しておくことが重要であり、その上で常時、報告、相談、協議する体制を構築しておく必要がある。

a)大学内の体制整備

①大学においては以下の体制を整備する。
・学生、実習施設、担当教員からの連絡・相談窓口(実務実習委員会等)を設置し、関係者へ周知する。
・大学内に実務実習委員会を設置し、円滑かつ充実した実習のための方策(トラブル対応等)を検討する。
・担当教員、実務実習委員会、相談窓口担当者間で情報の共有化を図る。
 
②大学におけるトラブルの原因解消のための方策
実習におけるトラブルの主な原因とその方策を以下に示す。大学側は、トラブル防止のために原因に対応した方策を実施する。

b)原因と方策

原因1:学生の資質
① 実習に対する目的意識の欠如、社会経験の不足などに起因する実習態度不良
② 基礎的知識の不足、コミュニケーション能力の不足、体力不足、病身などに起因する実習達成度不良

方策1
大学内の事前教育において学生個々の能力を評価し、担当教員はそれぞれの個性を把握しておく。必要に応じて事前に指導薬剤師に情報提供し、実習方法等について指導薬剤師と協議しておく。
また、実習開始直前に実務実習の目的と臨む姿勢等について厳格に指導する。
さらに、担当教員は実習中に日誌や指導薬剤師からの情報収集により、教育・指導を繰り返し行う。
WEB
システムやメール、定期的な訪問により指導薬剤師とともに再評価を行い、実習方法等を再考する。

原因2:大学教員の資質
実務実習への関心の無さや不足、薬剤師業務の理解不足などに起因する担当教員の役割の不履行

方策2
実務実習の意義および薬学教育における位置づけ、訪問指導の意義と教員の
役割などについて、全教員を対象とした説明会を開催、要点をまとめた説明文書を作成、配布し、全教員が日常的に共通認識を持つよう努める。

原因3:指導薬剤師・施設管理者の資質
学生に対する過度な要求、過度な目標設定、教育に関する理解不足、教育施設としての不適正など。

方策3
学生の到達度等を確認し、実習方法等について指導薬剤師と協議し再考を求める。必要に応じて、学生の資質、性格等に関する情報を指導薬剤師に提供する。指導薬剤師も教育者であるとの視点から学生に接する。

3.2 トラブルが起きてしまったときに

 トラブルが発生した場合、大学(担当教員・実習責任者)は学生および指導薬剤師の双方から事情を聴取した上で、原則として当該大学および実習施設間(大学、学生、施設の3者)で協議し、解決するものとする。また、問題の内容によっては、関係する団体・組織(10都県の病院薬剤師会・薬剤師会、日本保険薬局協会、日本チェーンドラッグストア協会)の実務実習担当責任者とも連絡を取り合い、相談の上で解決を図っていくものとする。その対応と措置は次に示す。

a) 対応について

(1) 病院の場合:指導薬剤師および施設責任者(薬局長・薬剤部長・薬剤科長など)と相談し、解決にあたる。
(2)
薬剤師会会員薬局の場合:エリア担当者を通じて地域薬剤師会とも連携し、解決にあたる。
(3)
日本保険薬局協会会員、日本チェーンドラッグストア協会会員薬局の場合:当該会社の実務実習担当責任者とも連携し、解決にあたる。

b)措置について

 前記で協議した結果、実習の中断が必要と認められた場合には、大学、学生、施設の三者合意の下でこれを決定する。但し、トラブルの深刻化や再発が予想される場合は協議に先立って中断することもある。

*想定し得る措置を以下に示す。

① 同施設で実習を継続する(一時的な中断を含む):
大学が責任を持って継続的なフォローを行うものとする。

② 施設を変更して実習を継続する(一時的な中断を含む):
大学は、調整機構事務局に経過を報告するとともに実習施設の再調整を依頼し、その結果について前施設とエリア担当者等へ連絡する。

③ 実習の中止:
大学は、調整機構事務局に経過およびその後の対応措置について報告し、必要に応じて再調整を依頼する。大学は責任を持って前施設とエリア担当者等へ連絡する。

*②、③の場合には調整機構委員長に報告書(事例報告書の様式あり)を提出する。

3.3 再発防止に向けて

① 実習中止のトラブルが発生した場合、大学の実務実習委員会等はその経過と結果・対応と措置について、教授会等に報告する。また、委員会で再発防止案を策定し、これを実行する。
 
② 前項の責任者はトラブル事例を調整機構の報告書書式に従って文書にまとめ、施設側の了承を得た後、調整機構委員長宛に郵送により報告する。その際、学生、指導薬剤師および実習施設の個人情報の保護に最大限の配慮をする。

4.実習中のトラブルに関する調整機構の役割について

 調整機構は、トラブルの発生により実習施設の変更あるいは中止が発生した場合、大学からの依頼により実習施設や実習時期の変更に関する再調整を行うとともに個人情報に配慮して、再発防止のために教訓となるような情報提供を行う。また、調整機構には円滑に実習ができる環境を整備するために、トラブル防止小委員会が設置されている。トラブル防止小委員会の役割は、発生したトラブルの収集と解析、再発防止のための対策の検討および提案を行う。トラブルの裁定を行うことはない。

以上

附則 本申し合わせは平成26217日より実施

 

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関東地区調整機構実務実習ガイドライン(実務実習関係者に期待される役割編)

「実務実習関係者に期待される役割」編

1.大学および教員に期待される役割

教育に対する教員の資質向上のための体制の整備
・「学生を育てる(知識・技能・態度)」という教員の意識の向上を図る。
・教員自身に「学生の目標となる」という意識を定着させる。
・「実務実習に関するガイドライン」について全教員の理解を定着させる。

学生に関する情報の収集および管理体制の整備
・入学時から実務実習へ送り出すことを考慮して、5年次までの学生の情報を収集し一元的に管理する体制を整備する。
・問題を抱える学生については、5年次実習開始前までに改善の取り組みを行う。

実務実習事前教育の内容の充実と水準の向上
・臨床系教員の経験を活用した教育・指導体制を組み込む。
・学生が目指す目標を明確化し、学習意識を高める教育・指導方法を構築する。
・学生に到達度評価基準を提示し、自己評価とともに形成的評価を行い、必要に応じて学習方法を修正し、医療現場で実習できる
 水準を確保する。(PDCAサイクルの確立)

学内の実務実習実施体制の整備と充実
・実務実習を統括する学内委員会(実務実習委員会等)の設置と定期的な協議の実施
  *臨床系教員を含めた実務実習に関する委員会を設置するとともに実務実習に関する責任体制を明確にする。
  *委員会では円滑かつ充実した実務実習を実施するために実習施設への配属の適正化、実習における課題やその解決策、実習
   における学生評価、実習施設の評価などを協議する。
・学生に対する訪問指導担当教員(以下担当教員)の配置
 担当教員は、充実した実習を全うできるように以下の役割を担う。また、指導内容について学内の実務実習を統括する委員会へ
 報告する。
  *実習施設との連携の窓口
   ・学生に関する情報を施設に提供するとともに実務実習に関する協議の窓口となる。
  *実務実習施設の環境(設備、実習内容・方法など)の確認
  *学生の健康状態の把握
  *実習の進捗状況を把握
   ・到達度に注目し、到達度の向上を目指して施設側と相談・協議する。
  *学生への支援と教育的指導
   ・実務実習の進捗状況、学生の健康状態、実習状況などの課題について学生に対して随時、支援と教育的指導を繰り返し行
    う。
   ・実務実習に関する連絡・相談窓口の配置
  *学生、担当教員、実習施設等の連絡・相談・協議ができる窓口(実務実習を統括する委員会等)を設置する。

実習施設との連携体制の整備と充実
・実習施設はもとより、地区の薬剤師会、病院薬剤師会等との連携・協力体制を構築し、実務実習に関する共通認識を確立して
 実習内容の標準化と水準の向上を目指す。
・実習開始前、実習期間中、終了後を含めて大学・施設間の良好な関係を構築・維持し、学生が安心して実習を進められるよう
 環境を整える。
  *実習開始前には、連絡会議等により学内教育の内容、実習に対する考え方(大学の実務実習実施体制、評価基準等)等の
   情報提供と十分な情報交換を行い、実習に関する不安要素の抽出・確認とその解消を図る。
  *実習中には、担当教員を窓口として問題の早期発見と解決を図る。
  *実習終了後には、実習施設とともに実務実習に関する成果および問題点を抽出し、実務実習内容および指導方法等の水準の
   向上に努める。(PDCAサイクルの確立)

2.1病院における部門長に期待される役割

受入施設の要件の確認
・部門長(薬剤部・科長)は、学生実習を受入れる際には受入施設の要件を満たしていることを確認する。

受け入れ時の学生の基本的資質に対する理解
・共用試験合格は、「できる」ではなく、「これから医療の現場で実践的な業務を学んでいくことができる資格がある」と理解
 する。

実習環境・業務内容の整備
・受入施設としての要件を維持するとともに、体験型・参加型を基本としたより充実した質の高い実習を行うための環境を整備
 する。
・学生の目標となる資質を有した薬剤師の育成および質の高い薬剤師業務を実践する体制を整備する。
・受入施設内の他部署(他スタッフ等)のみでなく地域の他施設(医療機関、薬局等)との協力体制を有する業務・実習環境を
 整備する。
・地域の医療施設との連携体制により薬剤師業務の向上を目指し、地域の医療を支援する。

教育・指導体制の整備
・部門長を実習責任者とし、常時、認定実務実習指導薬剤師を配置して、指導に関する責任体制を整備する。
・受入施設内の全ての薬剤師が学生の教育・指導に関わるよう、教育・指導体制を整備する。
・体験型・参加型を基本とした教育・指導方法等について状況把握を行い、必要に応じて修正を行う。(PDCAサイクルを確立)

大学および地域薬剤師会との連携体制の整備
・円滑かつ充実した実習の実施に必要な相互理解のため、大学のみならず地域薬剤師会を含めた連携体制(報告・連絡・相談・
 協議等)を整備する。
・学生(大学)と受入施設の間で問題が生じた場合には、解決に向けて迅速な対応を取ることができるよう、地域の薬剤師会を
 含めた連携体制を整備する。

2.2保険薬局における業務統括者に期待される役割

受入施設の要件の確認
・業務統括者(薬局開設者、薬局長等)は、学生実習を受入れる際には受入施設の要件を満たしていることを確認する。

受け入れ時の学生の基本的資質に対する理解
・共用試験合格は、「できる」ではなく、「これから医療の現場で実践的な業務を学んでいくことができる資格がある」と理解
 する。

実習環境・業務内容の整備
・受入施設としての要件を維持するとともに、体験型・参加型を基本としたより充実した質の高い実習を行うための環境を整備
 する。
・学生の目標となる資質を有した薬剤師の育成および質の高い薬剤師業務を実践する体制を整備する。
・受入施設内のみでなく、地域内の保険薬局・医療機関・他職種等との地域での医療連携体制を有する業務・実習環境を整備
 する。
・地域の医療施設との連携体制において薬剤師業務の向上を目指し、地域の医療を支援する。

教育・指導体制の整備
・業務統括者を実習責任者とし、受入施設に常勤の認定実務実習指導薬剤師を配置して、指導に関する責任体制を整備する。
・受入施設内の全ての薬剤師が学生の教育・指導に関わるよう、教育・指導体制を整備する。
・体験型・参加型を基本とした教育・指導方法等について状況把握を行い、必要に応じて修正を行う。(PDCAサイクルを確立)

大学および地域薬剤師会との連携体制の整備
・円滑かつ充実した実習の実施に必要な相互理解のため、大学のみならず地域の薬剤師会を含めた連携体制(報告・連絡・相談・
 協議等)を整備する。
・学生(大学)と受入施設の間で問題が生じた場合には、解決に向けて迅速な対応を取ることができるよう、地域の薬剤師会を
 含めた連携体制を整備する。

3.認定実務実習指導薬剤師に期待される役割

受け入れ時の学生の基本的資質に対する理解
・共用試験合格は、「できる」ではなく、「これから医療の現場で実践的な業務を学んでいくことができる資格がある」と理解
 する。

実習内容の水準の向上
・実務実習の在り方、目標を理解して、実習責任者と協同して実習環境を整備する。
・実習実施計画の立案と進捗状況の把握を行い、必要に応じて修正を行うとともに他の薬剤師の指導支援を行う。
 (PDCAサイクルの確立)

指導者の指導方法の標準化、水準の向上
・指導にあたる薬剤師に「受け入れ時の学生の基本的資質に対する理解」を認知させる。
・指導にあたる薬剤師に対して「基本的な姿勢」と「指導方法」の周知徹底を図る。
・教育・指導においては、「基本的な姿勢」と「指導方法」に則り、学生の水準に応じた対応を行う。

  『基本的姿勢』
  *自身の資質の向上を目指して、共に成長する意識と併走する意識で臨む。
  *やり方の説明よりも「何故それをやるのか」の動機付けする態度で臨む。
  *細かいやり方の違いにこだわる作業教育でなく理論に基づいた教育姿勢を持ち、実践と理論の繰り返しを意識して臨む。
  *手取り足取りではなく「学生自らが考え、実践していく」ことを意識して臨む。
  *対面指導を基本とする。
  『指導方法例』
  *コアカリの各実習項目について実習実施前に、その内容について目指す「到達水準」を設定させる。
  *個々にレベルが異なっていてもその目標に向かって自己サイクルさせ、できなかったことができるようになることを重視
   する。
  *「頑張った」ではなく、「成果」にこだわらせる。

4.実習施設内の薬剤師に期待される役割

 薬学実務実習では、医療現場において薬剤師としての能力を総合的に学ぶことが基本となっており、その指導にあたっては認定を受けた指導薬剤師(認定実務実習指導薬剤師)のみが関わるのではなく、現場の全ての薬剤師が関わることが求められている。本指針は指導にあたる薬剤師に対して示したものである。

受け入れ時の学生の基本的資質に対する理解
・共用試験合格は、「できる」ではなく、「これから医療の現場で実践的な業務を学んでいくことができる資格がある」と理解
 する。

実習内容の水準の向上
・実務実習の在り方、目標を理解して、認定指導薬剤師の立案した実習実施計画に基づいて協力的に指導にあたる。
・認定実務実習指導薬剤師とは密に連携(報告・連絡・相談)をとり実習内容の水準の向上を目指す。(PDCAサイクルの確立)

指導者の指導方法の標準化、水準の向上
・教育・指導においては、「基本的な姿勢」と「指導方法」に則り、学生の水準に応じた対応を行う。

  『基本的姿勢』
  *自身の資質の向上を目指して、共に成長する意識と併走する意識で臨む。
  *やり方の説明よりも「何故それをやるのか」の動機付けする態度で臨む。
  *細かいやり方の違いにこだわる作業教育でなく理論に基づいた教育姿勢を持ち、実践と理論の繰り返しを意識して臨む。
  *手取り足取りではなく「学生自らが考え、実践していく」ことを意識して臨む。
  *対面指導を基本とする。
  『指導方法例』
  *コアカリの各実習項目について実習実施前に、その内容について目指す「到達水準」を設定させる。
  *個々にレベルが異なっていてもその目標に向かって自己サイクルさせ、できなかったことができるようになることを重視
   する。
  *「頑張った」ではなく、「成果」にこだわらせる。

以上

附則 本申し合わせは平成27225日より実施

 

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関東地区調整機構実務実習ガイドライン(実務実習関係者に期待される役割編)